おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

「どうして乳がんになったんだろう?」なんて嘆くのは意味のないことだ

筆者が抗がん剤治療や手術を行ったのは2015年のため、治療に関する情報は最新と異なる可能性があります。なお、筆者の近況はTwitterで発信しています。

乳がんの宣告を受けて、5ヶ月が過ぎました。
その瞬間から今に至るまで、繰り返し思っていることがあります。

「どうして20代で乳がんになったんだろう?」

日本人女性は、生涯で12人に1人が乳がんになると言われています。
また、男女を問わず、2人に1人は何らかのがんになると言われています。

それにしても、28歳なんて早過ぎやしないか?と、何度も思いました。今でも思います。
乳がん罹患のピークは40代後半から50代*1
53歳の母は「どうしてママじゃなくてあんたが?」と言いました。わたしだってそう思ったよ。

でも、家族ががんになったら心配でたまらない。そういう意味では、自分で良かったのかもしれないと思います。

乳がんの原因は、まだ完全には明らかになっていません。
明らかなものとしては、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が有名です。疑わしい家族歴はないけれど。ただ、HBOCは、疑わしい家族歴がなくても、発生する可能性はゼロではありません。これは遺伝カウンセリング*2 で調べられますが、現時点では受けていません(この理由はまた別の機会に)。
そのほかに、危険因子として、肥満・月経の早さ・食生活・飲酒などが挙げられることもあります。普通体型で普通の生活を送っていたわたしには、思い当たることはありませんでした。

つまり、過去を振り返っても悔やむ点はないのです。
仮に、反省すべき行いがあったとしても、過去は変えられない。いまは、未来のために治療に専念するのが最優先です。

ところで、宣告直後に思っていた「どうして〜」と、現在思う「どうして〜」は、ニュアンスが違っていることに気付きました。

はじめは現実を受け入れられず、否認するために「どうして〜」と嘆いていました。でも、それでは何も変わらないし意味がない。
そして現在、原因を知りたい理由は、再発する可能性を限りなくゼロにしたいからです。

乳がん治療の目的は、根治だけでなく、再発リスク*3を下げるためでもあります。治療後は長い時間(ときには何十年も!)付き合っていく。
医師に「20代の若い時期に発病したということは、それだけ長く付き合う必要があるということ」と言われました。

だから、出来る範囲でリスクを下げていきたいと思っています。とりあえず、お酒を辞めたり*4、食生活に気をつけてみたり。
でも結局、完全に原因がわかっていない以上、完全に予防するのは困難です。自分の力で防げないものに立ち向かうのは、あまり意味がありません。

そんなときに読んだ、為末大さんの記事に激しく同意。
余計な心配をしても良いことはないので、食生活も、生活習慣も、自分が納得するために改善しています。

知名度で就職先を選んでしまったことを後悔しています

“スポーツ心理学では、「自分でコントロールできないことを考え続けることは、無駄でしかない」と考えます。自分でコントロールできることすら疎かになると確実に結果が出なくなります”

2015/10/04 13:19

最近は「20代で乳がんになって、その後に大活躍できたらカッコイイじゃん!」と思い、がんライフを楽しめるようになりました。
結果、ブログを書いたり、ウィッグでおしゃれしたりしています。
ポジティブだいじ。

ところでこれは、初めての抗がん剤投与前日に読んだ本。
自衛隊員とがん患者 “自分の力で制御できない敵と長期間戦う” という点で似ているので、参考になります。

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