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おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

がん患者10年の相対生存率から、乳がんについて考える

本・資料 考えたこと

国立がん研究センターが、がん患者の10年相対生存率を公表しました。
今まで5年相対生存率は公表していましたが、10年は初めてのデータです。

まず前提として、10年(5年)相対生存率を見る上で注意することが3つ2つあります。
1つ目は、データは全がん患者を対象としたものではないこと。日本では昨年まで、全がん患者をまとめた統計データはありませんでした。今年1月から全国がん登録*1が始まり、一元管理されるようになります。
2つ目は、1999〜2003年にがんと診断された患者のデータであり、すでに13〜17年古いデータであること。10年間の追跡調査を行うので当然ですが、現在の治療方法とは異なる点も多くあります。
3つ目は、亡くなった方には、がん以外の死因も含まれるということ。例えば、80歳でがんになり、その後老衰で亡くなったとしてもカウントされます。
【追記】誤りがあったので訂正します。“相対” 生存率は、がん以外の死因のデータは含まれません(正確には、日本人の期待生存率に対する、がん罹患者の生存割合を示します)。

性、年齢分布、診断年が異なる集団において、がん患者の予後を比較するために、がん患者について計測した生存率(実測生存率)を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期待生存確率で割ったものを相対生存率といいます

全がん協加盟施設の生存率協同調査 / 生存率Q&A

治療期間や生存期間の目安にはなるものの、わたしは(患者視点では)、あまり数値にこだわりすぎるのも良くないと思っています。

以上を踏まえて、乳がんについて考えます。
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まず乳がんの10年相対生存率はこちら。
▶︎ 全がん協加盟施設の生存率協同調査 / 全がん協生存率

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表1

他のがんに比べると、80.4% と高い生存率になっています。がん全体では 58.2% なので、それに比べれば圧倒的に高い数字とです。
公開されているがんのうち、女性が罹るものでは、甲状腺がん、子宮体がん、子宮頸がんに次いで4番目です。
しかし、乳がん患者の期待しているデータとしては、少し低いように思いました。これは、後述もしますが、5年相対生存率とやや乖離があるためです。

ステージ別で見ると、4期で 15.6% と大きく下がるので、長く生きるには早期発見が大事なようです。実際、患者数では2期が半数を占め、次いで1期が1/4程度となっており、早期発見が進んでいます。これからの乳がん医療は、3期4期で発見される患者をさらに減らすことになっていくかもしれません。
とはいえ、4期でも、他のがんと比較すると、まだ希望の持てる値ともいえます。

次に、5年相対生存率と比較します。こちらは1997年〜2000年のデータです。

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表2

10年に比べて良い値となっています。特に1期2期では、ほぼ完治すると言っても良いレベルです。このようなデータによって「乳がんはこわくない」「乳がんは治る」と言われるようになったのだと思います。

逆にいえば、5年後〜10年の間に数値が下がっているともいえます。
乳がんは再発しやすいこともあり、長期的に治療や経過観察が必要だと改めて感じました。

5年後の相対生存率と比べ、(中略)乳がんは8.3ポイント低下(中略)していました。
(中略)
集計を行った群馬県衛生環境研究所の猿木信裕所長は、「がんの種類によっては、治療後のフォローが5年でよいものと、ずっと見ていかなければいけないものがあることが、データとして見えるようになったのは大きいと思う」と話しています。

がん患者 10年後の相対生存率を初公表 NHKニュース

ちなみに、こちらは2004〜2007年に罹患した方の5年相対生存率です。

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表3

表2に比べると、さらに値が改善しています。
早期発見が進んだ(1期2期の割合が増えた)こと、治療方法が改善されたことなどが要因になりそうです。
このことを鑑みると、最新の10年相対生存率は、さらに改善されるだろうと希望をもっています。

ここ10年で、乳がん治療は、分子標的薬(ハーセプチン)の認可や、乳房再建の保険適用など、さらに進化しています。
数字は大事ですが、患者としては、あまり一喜一憂せずにいきたいものです。

乳がんは、がんの中でも長い戦いが必要です。
わたしは、今後10年続くホルモン治療が始まったばかり… データに良い貢献ができるように、がんばります。