おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

卵巣がん闘病記「元気になるシカ」を読んだ

卵巣がんを体験された藤河るりさんの「元気になるシカ」というコミックエッセイを読みました。

昨年9月の発売直後から、Twitterなどで良い感想を目にしていたし、卵巣腫瘍を体験した知人からも紹介されたこともあり、ずっと気になっていました。ただ闘病記を読むのはエネルギーを使うので、元気なときに読むぞ!と決めて、その後半年。今年の3月にやっと読みました。そして、今さら感想を書きます。というのも、実は、藤河さんにお会いする機会があったのでした。あまり長くはお話できませんでしたが、読みました!とお伝えできたので、ブログを通して、きちんと感想を書こうと思います。

以下、ネタバレを含む感想です。

卵巣がんと乳がんは、同じ婦人科系のがんですが、症状も治療方法もまったく異なるということを改めて学びました。乳房は、身体の表面にあるため、針生検(針を刺して組織をとって検査すること)によって、すぐに確定診断(悪性か良性かの判断)ができます。それに比べて卵巣は、腫瘍があることがわかっていても、手術をしてみないと、悪性か良性か(もしくは境界性か)の判断ができません。そのため、術前に最悪の場合を想定して医師と方針を決めるようですが、麻酔から覚めてから実際の病名を聞くことになるのは、がんだった場合、とてもつらいものだなと思いました。

一方、がん告知後の心境や、抗がん剤治療のつらさなど共感する部分も多くありました。中でも、術後にしこりを見つけ、再発の検査するシーンは、わたしも術後ちょっとしたことで再発を心配していた(いる)ので、がん患者あるあるだな、と安心(?)しました。再発でもそうでなくても、今を楽しむことに変わりはないという考えにも励まされました(結果、藤河さんは再発ではないので一安心です)。

一番つらかったのは、同病の方が亡くなるシーンでした。ここだけは、胸が締め付けられて、いまだにちゃんと読むことができないけれど、印象的なフレーズを引用します。

同じ病気をしていても人それぞれ
性格も状況も違うから共感できるとは限らない
掛ける言葉を間違えることもある
患者同士の付き合いは色々難しい
それでも患者同士だからこそわかることがある

同じ病気だからといって共感できることばかりではないし、自分よりも深刻な病状のひとと接する恐怖はずっとあるし、死に対する恐怖は消えたりしない。それでも、わたしは、闘い続けた同病の人の無念を晴らすのは、1日でも元気で長く生きることだと思っています。

そして、締めくくり。

「癌になって良かった」なんて私は絶対言えないけど
たくさんのことを勉強した

わたしも、がんになって良かったとは思わないけれど、闘病したからこそ気付けたことや、闘病したからこそできた経験は数え切れないほどあると思っているので、それらを大切にして、自分のペースで生きていくぞ!と思える本でした。

藤河さんは、現在は経過観察中だそうで(お会いした際も、とてもお元気そうでした)、引き続きブログを綴られています。

【漫画】治療日記・元気になるシカ!