おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

それでもわたしは生きていく

筆者が抗がん剤治療や手術を行ったのは2015年のため、治療に関する情報は最新と異なる可能性があります。なお、筆者の近況はTwitterで発信しています。

小林麻央さんの訃報。あらゆる感情が押し寄せて、うまくことばにできません。

もちろん悔しさはあるけれど、どこかで、やっとつらい闘病が終わったのだという安堵の気持ちがあります。どうか安らかに休まれることをお祈りしています。

正直にいえば、いつか遠くない未来にこうなることは、わたしを始め、きっと多くの乳がん患者がわかっていたと思います。それでも気丈にブログを更新し生きていく麻央さんと、いつも通りに仕事を続ける海老蔵さんに、がん患者の生き方と夫婦の愛の形を学びました。

わたしは、自分の乳がん告知後しばらくは、芸能人のがんと向き合うことができませんでした。感情移入をしすぎて、他人事とは思えなかったからです。いまは、ほとんど元の生活に戻り、がん患者も一人一人全員違い、「わたしはわたしで生きていく」という気持ちが強くなりました。だから、もしも、この報道に向き合えない、乳がん患者やご家族の方がいても、それはいつか時間が解決するのだと伝えたいです。

乳がんにも、さまざまなステージや病状があります。麻央さんは、ステージ4であることを公言していたし、そのように報道されていました。一昔前のように、がんをひとくくりにして、すべてが死に向かっていくというイメージは、減ったのではないかと思います。

麻央さんのブログは、多くの人に読まれ、健康な人から見れば、つらいことが多かったかもしれないけれど、終末期医療のリアルな様子を伝えるものになりました。一方わたしは、同じ若年性の乳がんでもステージも違い、いまはふつうの暮らしを送っています。

闘病を綴ることは、自分自身の励みになると同時に、のちに同じような状況になる誰かのために、絶対に役に立つと思っています。麻央さんのブログを見るのがこわい患者もいただろうし、励みにしていた人もたくさんいたと思います。

ところで、今日は偶然にも、若年性の乳がん患者のオフ会に行く予定が入っています。訃報を受けて、LINEでは「それでも今日はいつも通り楽しみましょう」という会話をしました。同じ病気同士の付き合いは、ときに困難もあります。でも、残ったものは、どんなことがあっても生き続けないといけない。わたしは、いつも通り生き続けることが、誰かの悔しさを晴らすことになると思っています。

これからも強く、生きていくしかないのです。