おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

乳がんになって、抗がん剤治療をしたけれど、ふつうに働いています

筆者が抗がん剤治療や手術を行ったのは2015年のため、治療に関する情報は最新と異なる可能性があります。なお、筆者の近況はTwitterで発信しています。

乳がん治療のための休職から復帰して、ちょうど1年が経ちました。復職直後は1日4時間ほどの勤務でしたが、徐々に勤務時間を伸ばし、昨年12月から、もとの通り週5日フルタイムで働いています。

わたしの治療は、抗がん剤、手術、放射線、分子標的薬(ハーセプチン)、ホルモンと、乳がん標準治療のフルコースでした(現在はホルモン治療のみ継続しています)。治療の内容や期間は、がんのステージやタイプなどによって違うし、その副作用も大きく個人差があります。しかし、いまだに「がん = 死」や「抗がん剤 = 非常につらい」というイメージは強く、実際、がん治療をしながらの仕事は難しいと思う人も多いようです*1

とはいえ、最近は、インターネット上でがん治療の経過や、社会復帰までの記録を残されている方も多く、同じ患者として、とても励みになります。




告知直後から休職している間、さまざまな方の闘病ブログを見ていました。そのとき、いつも気にしていたのが「最終更新日」とその内容でした。頭では「わたしの乳がんは治療をすれば治る」と分かっていても、どうしても、最悪の事態が脳裏によぎっていました。

いまになって思うのは、「治療が落ち着くと、病気のことを忘れたくなる」ということです。この記事も前回の更新から2ヶ月空いていますが、もとの生活に戻ってくると、病気に関連するものを身体が勝手に忘れようとしてきます。だから、更新のなくなったブログも、悪いことばかりではないと思うようになりました。

わたしは約8ヶ月間、休職しました。抗がん剤6クール(途中、副作用により1ヶ月ほどの休薬がありました)、手術、放射線治療の期間をまるまる休みました。抗がん剤は外来治療で、ほとんど自宅にいたものの、吐き気や倦怠感などの副作用が強く、トイレに行くのがやっとという状態でした*2。しかし、その後の手術と放射線治療の際には、体力はほとんど戻り、日常生活は問題なくなっていました。

それでも、復職する際は、体力的・精神的な面で、本当に仕事をできるのか? と不安でした。抗がん剤治療中は何もできなくなっていたし、もともと仕事が大好きだったわけではない。復職するときには、もしダメだったら無理をせずに数ヶ月で辞めても良いと思っていました。

でも、抗がん剤治療中に「絶対に1度は復職してから(どのように仕事をしていくか)判断する」ということだけは決めていました。そのために治療をがんばったし、何より上司や同僚に「戻ってくるのを待っている」と言われたことを励みにしていたからです。

休職して良かったことの1つに、仕事の良い面が見えるようになったことがあります。いままでは、自分の苦手なこと・嫌なことばかりが目に付いていました。少し会社を離れることで、得意なこと・好きなことが見えるようになったと思います。そのほかに、たくさんの人に励ましてもらったおかげで「みんな優しい」と心の底から思えるようになりました。さらに、会社やチームに所属している安心感や、仕事をしている間は病気のことを忘れられるメリットにも気づきました。

そんなわけで、いまでは以前よりも楽しく働けています。病気になる前、向いていなかったと思っていた役割にも再度挑戦し、前よりも冷静に自分を見つめられるようになりました。

がんになっても、いままでどおり働けるし、場合によってはいままで以上の精神を手に入れられると思います。自分自身が乳がんになって知ったことですが、身の回りには、がん治療を経て、ふつうに暮らしている人は意外とたくさんいます。どうか、いま治療をしている方は、いつかもとの通りに戻れると信じることを辞めないでいてほしいです。

ところで、最後の抗がん剤投与から1年3ヶ月くらい経って、髪がめちゃくちゃ伸びました。

https://www.instagram.com/p/BO12KMtluRi/

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