おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

【乳がん確定】要精検と言われてから、確定診断を受けるまで

筆者が抗がん剤治療や手術を行ったのは2015年のため、治療に関する情報は最新と異なる可能性があります。なお、筆者の近況はTwitterで発信しています。

今年に入ってから、なんとなく左胸のしこりが気になっていたわたしは、4月にあった会社の定期健康診断で乳がん検診のオプションを付けました。
乳がん検診は一般的に「触診」「乳腺エコー」「マンモグラフィー」の3種類あり、組み合わせて実施されることも多いそうです。触診は医師が乳房を触り、乳腺エコーは超音波で、マンモグラフィーはX線で、乳房に異常がないか見るものです。
わたしの会社では「乳腺エコーと触診」「マンモグラフィーと触診」から選べたので、以下の理由で前者を選択しました。

20~30歳代の方では乳腺の密度が高く(高濃度乳腺)、マンモグラフィーでは詳細に判断できない場合が高頻度に認められます*1

それぞれの検査の詳しいメリット・デメリットは、認定NPO法人 乳房健康研究会*2や丸の内クリニック*3などでまとめられています。

健康診断では、触診では「異常なし」だったものの、乳腺エコーでは「しこりがあり、それだけなら良いけれど白い斑点(あとで分かりましたが石灰化のこと)が気になるので、きちんと病院で診てもらってください」と、その場で言われました。その際、はじめに診察した若い女性スタッフから、中年の男性スタッフへ交代しての判断だったこともあり、とても不安になりました。あわせて「こう言っても放置する方も多いんですけどね…」とも言われたので、すぐに病院に行って良かったと思っています。
あまりに不安だったため、すぐに夫に報告し、正式な結果を待たずに乳腺外科を予約しました。インターネットで「乳がんの精密検査って何科なんだろう?」ということから調べ、行ける範囲で良さそうな病院を探し、10日後には精密検査を受けました。

ちなみに、その数日後に出た健康診断の判定では「D」となっていました(今までずっとAだったのに……!)。これはあくまで健康診断としての結果なので、D判定(要精密検査)だからと言って、乳がん確定ではありません。むしろ、精密検査後に乳がんと確定される人は少なく、要精検のうち乳がんと確定される人は3%程度です*4

乳がんだと最終的に決定する確定診断は、エコーやマンモグラフィーでなく「針生検」が一般的です。針生検とは、針で細胞を摂取し顕微鏡で観察するもので*5、わたしが精密検査を受けた乳腺外科では、乳腺エコーとマンモグラフィーの後に、やはり怪しいということで針生検を受けました。麻酔を注射した後に、太い針で細胞を摂取したため痛みは感じませんでしたが、1回だと思っていたら計3回摂取されたのでびっくりしました……(できるだけズレないようにエコーで患部を見ながら行います)。
針生検の結果は1週間程度で出ます。この1週間は、ただただ不安で何も手につきませんでした。ただ、他のがん、例えば卵巣がんなどでは開腹するまで確定できません。これは身体的・心理的負担ともに大きいですが、乳がんは、それに比べれば簡単に確定診断ができる数少ないがんとも言えます。

ところで、夫には健康診断の時点で伝えていたため、精密検査に同行してくれました。針生検の正式な結果は一週間後でしたが、その場で「ご家族も一緒に先生の話をどうぞ」と看護師さんに促され、医師の先生に「(シリアスな表情で)非常に怪しいので針生検をします」という旨を聞かされていたので、感情と情報を共有できて良かったと思っています。
母には、先生に聞かれた「血縁者にがん患者(特に乳がん、卵巣がん)いないか?」を確認するため、現状をLINEで連絡していました。ちなみに、今のところ血縁者に遺伝的要因を疑うがん患者はいません(若年性乳がんの遺伝性については、改めて記事を書こうと思っています)。

結果が出るまでの一週間、インターネットで乳がんについて調べる毎日が始まりました。でも、調べれば調べるほど、20代で乳がんになる可能性は非常に低く(年間200〜300人が罹患、つまり1万人に1人程度*6)あまり心配し過ぎても意味がないと思うようになりましたが、一方で、その可能性はゼロではなく、自分でない保証はどこにもないと覚悟をするようにもなりました。
いずれにせよ、不安に思ったところで結果は変わらないのですが、いてもたってもいられなかったのがこの時期です。

乳がんに限った話ではありませんが、インターネットの情報は、不正確なものや感情的な(不安やつらさを吐露している)ものが多くあります。書く場合はストレス発散になりますが、読む場合は不安を増幅させることもあるので、特に精神が安定していないときは上手に付き合っていく必要があります。一方、国や自治体の出している情報、自分の信頼できる団体・病院の情報、そして新しい情報や、個人の治療に関する情報などは上手く使っていけば、とても便利なものです。

そして一週間後、先生から「乳がん(浸潤性乳管がん)」の宣告後を受けました。
さまざまなイメージをしていたので、もし宣告を受けた場合、泣きじゃくるかもしれないと思っていたのですが、意外と冷静に話を聞けました。夫が一緒だったのもあると思います。診察室で先生に申告を受けた後、別室で看護師さんからも詳しい説明がありました。改めてきちんと話を聞くための小部屋だと思われます。そこで泣く方も多いそうですが、わたしの場合は「仕事を続けられるか?(辞める必要があるか?)」「これからどういう目的で検査があるか?」とできるだけ未来に関する質問していました。
浸潤性乳管がんについては、また改めて記事を書こうと思います。

これから精密検査に行かれる方や、精密検査後の確定診断に行かれる方は、信頼できる家族と一緒に行って話を聞くことをおすすめします。宣告を受けた場合に「どうやって伝えよう?」と考える必要がないし、動揺している自分だけで聞くより、医師や看護師の話を正確に理解でき、感情(つらいけど頑張ろうね!という気持ちなど)の共有もスムーズにできるからです。