おっぱいサバイバー

2015年28歳で乳がん告知。闘病の記録と感情をつづるブログ。

がん宣告より、つらかったこと

筆者が抗がん剤治療や手術を行ったのは2015年のため、治療に関する情報は最新と異なる可能性があります。なお、筆者の近況はTwitterで発信しています。

北斗晶さんの5年生存率50%が話題になっていますね。
ステージ2bだそうなので、国立がん研究センターのデータ(2007年)によれば、もう少し高いです。

http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv_2007.pdf

北斗晶さんのインタビューで話題になってたので。女性乳がんのステージ別5年相対生存率は Ⅰ期 99.8% Ⅱ期 95.2% Ⅲ期 78.6% Ⅳ期 30.5%。2007年のデータなので現在はもう少し高そう。

2015/10/03 14:55

しかし、これはあくまで統計情報なので、北斗さん個人の場合、がんの性質や体調・年齢などを考慮して、主治医の方が導き出した結果が50%ということなんだと思います。
メディアでは、その数値だけが一人歩きしている印象があります。どうか、いま闘病している方や家族・友人が余計な不安に思うことのないように祈ってます(自分含む)。
ま、よそはよそ、うちはうち。20代の乳がんなんて統計上は1万人に1人以下ですからね。当事者としては、ひとを気にしている場合ではないのです。

さて、今回は、がん宣告よりもつらかったことを書きます。

冒頭でも書いた通り、乳がんの生存率は、他のがんに比べて圧倒的に高いです。そのことは宣告前から知っていたので、宣告後もある程度は落ち着いていられました。

余談ですが、宣告後に食欲が落ちたり眠れなかったりする方もいるようですが、わたしの場合は、逆によく食べれるようになり(抗がん剤で痩せるだろうし無理をして体重維持しなくて良いじゃん!むしろ少し太っておこう!と思い、結果2kgほど増えた)、より長く眠れるようになりました(ヒマだし、起きているとつらいことを考えてしまうので、とりあえず寝ようと思って寝てた)。人生の優先順位に悩んでいたのが、有無を言わさず「健康になること」一択になったので、その点はラクだなーと思っています。

話を戻すと、生存率はステージによって差があります。また、治療の方針もステージで異なります。例えば末期とされるステージ4だった場合は、がんの根治を目指すのではなく、がんを制御して共存していく延命治療が一般的です(逆に、ステージ3までは根治を目指すのが一般的です)。

わたしは、針生検の結果、宣告とあわせて “浸潤がん” と言われていたので、ステージ1以上は確定していました。浸潤がんとは、乳管だけでなく、他の組織にもがんが浸潤している状態です。つまり、転移の可能性があります。それを聞いてから、少しでも手前のステージであることを祈らずにはいられませんでした。
ちなみに、浸潤していない “非浸潤がん” であれば、転移の可能性はなく、治療も摘出のみであることが多いようです。この状態はステージ0にあたります。0期のがんは自覚症状がなく見つけづらいとされていますが、乳がんの場合は検診技術の進歩で、しばしば見つけられるようです。

浸潤性乳がんの場合、宣告後にステージの宣告があります。がんのステージは、腫瘍の大きさ・リンパ節転移の有無・遠隔転移の有無の3要素で決定します。
わたしは、腫瘍の大きさとリンパ節転移の有無を調べるためにMRIを、遠隔転移の有無を調べるためにCTを行いました。これらの結果が出るまで1週間程度かかりました。

このときが最もつらかった。乳がんは治る可能性が高いと言われていても、遠隔転移があった場合は色んな覚悟をしないといけません。
宣告時と比べ、乳がんに対する知識が増えており、良い情報も悪い情報も頭に入っていました。でも、今さら考えてもどうしようもない。あまり信心深いほうではないですが、文字通り神にもすがる思いで、がん封じが有名とされる近所のお寺に拝みに行きました。

一週間後、わたしは腫瘍の大きさ3cm強、リンパ節転移なし、遠隔転移なしという結果から、ステージ2aを宣告されました。
ここまで来てやっと、治療方針を決められる状態になりました。

治療方針については、また改めて書こうと思います。

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